世界国家とは

 世界国家とは?

代表的な例:ローマ帝国、中国で言えば漢、日本で言えば徳川幕府など
世界国家というより、日本的に天下国家というのが分かりやすいでしょう。
それまで、越後、甲斐、下野、信濃とか色々な国があったのをまとめて天下統一してできた国です。
厳密には豊臣秀吉から始まっています。

世界国家は、文明の1段階と捉えられています。
日本に適用すれば、紀元500頃から始まった極東文明の1つの段階です。
ローマ帝国は、紀元前1100年頃から始まったヘレニック文明のなかの1段階です。
(極東文明とかヘレニック文明・・・・トインビーさんが命名)

以下、歴史の研究から引用
1.「世界国家は文明の衰退の前ではなくあとに出現し、衰退した文明の社会体に政治的統一を与える。
 それはほんものの夏(最盛期)ではなくて、秋をおおい隠し、やがて冬の到来することを告げる『インディアンの夏』(小春日和)である。」2-p333

2.「世界国家は支配的少数者、すなわち、創造力を失ったかつての創造的少数者の制作物である。」2-p333

3.「連続的に情勢悪化-立直りのリズムを何回か繰返し、結局情勢悪化に終わるという形で遂行される解体の過程における一つの立直り・・・・しかも、特にいちじるしい立直り・・・・の現れである。」2-p333

「いったん樹立されると、あくまで執拗に生にしがみつくことが、世界国家のもっとも際立った特徴の一つであるが、それを本当の生命力と思い誤ってはいけない。
それはむしろ、死にそうになっていて、なかなか死のうとしない老人の頑固な長命である。」2-p334

「ただし、世界国家自体の市民の目を通して眺めると、それらの市民が単にかれらの地上的な国家が永久に存続することを願うばかりでなく、この人間の制度が不死を保証されていると実際に信じている・・・・(中略)・・・・ことを発見する。」2-p335

ローマ帝国にしろ徳川幕府にしろ、文明のなかでは最も平和で安定し、華やかもに見えますが、実はもはや成長することのできない衰退(あるいは衰退を開始)した姿です。
徳川幕府が武家諸法度とか参勤交代など、規則・法律を作ることができたのは、既にその文明が成長を殆ど止めて、管理しやすくなったためです。(私は、この武家諸法度というもの・・・・その中身のことは一切知りません(無責任!))

ただし、ローマ帝国の場合はその寿命を全うしましたが、日本の場合は黒船でペリーがやってきて中断されています。

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創造性のネメシス